「あーあ…」
「どうしたんですか、ウリモトさん、ため息なんかついて?」
「もうがっかりですよ」
「それはいつものことじゃないですか」
「…またヤナこと言いますね」
「でもほんとにいつもがっかりしてますよ、ウリモトさんは。で、何があったんです、今回は?」
「実は一昨日のセッションが増えていたんです」
「アナリティクスのデータですね。増えていたんならいいじゃないですか。何ががっかりなんです?」
「今まで多くてせいぜい10くらいだったのが25くらいに増えていたので喜んでいたんです。これで次のレベルに行けるかな、なんて」
「25が次のレベルに値するかはともかく、どうして増えたんでしょうね?」
「ええ、それは私も考えました。かん吉さんの本にも、動向が急に変わった時は何らかの原因があるからそれをきちんと解明せよと書いてありましたから。で、私なりに考えた結果…あ、その前にこれは私の特化ブログの話です。雑記ブログはまだ0行進ですから」
「それはそれで問題ですね」
「ええ、まあ…それで特化ブログの訪問者が増えた理由を考えてみたところ、記事のタイトルに毎回、『レビュー』と書き込んだからかなと思いました」
「『レビュー』?」
「はい。私の特化ブログはあるファッションアイテムの紹介の記事になっていて、それまではタイトルに商品名を書いていただけだったんですが、先日…一昨日ですね、タイトルに一つ一つ『レビュー』と入れてみたんです」
「それが当たったと」
「はい。そう思っていました」
「だったらいいじゃないですか。何をガッカリしてるんです?」
「実はそうじゃなかったんです」
「そうじゃなかった?」
「ええ。セッションが増えたのはその影響じゃなかったんです」
「では何が」
「これを見てください。これは今日の朝のアナリティクスの画面です」

「これは?」
「アナリティクスのレポートを見ていて、そうだ、今回一体どこに住んでいる人が私のブログを見てくれたんだろうと思って『地域』の画面を見てみたんです。そしたら…」
「まさか、この青とか水色になっている画面の人だったと?」
「そうです」
「だってこれ、アメリカとかロシアじゃないですか。あとアフリカにもありますよ?」
「国の名前も出ていました」

「ロシア、ドイツ、ユナイテッド・キングダム…ってどこでしたっけ?イギリス?あとオーストリア、サウジアラビア、イタリア、モロッコ、そしてアメリカですね。これは一体どういうことですか?どうしてこんな外国ばかり…」
「それは私が聞きたいくらいですよ。…でも考えていたら思い当たることがありました。たぶん間違いありません」
「何が原因だったのですか?」
「先の『レビュー』という文字をタイトルにつけ足した時、同時に小見出しを変えたんです」
「どう変えたんですか?」
「日本語のタイトルだったものを『TODAY’S REPORT』と変えたんです」
「あ…」
「分かりますよね?それによって私のブログには毎回『TODAY’S REPORT』の文字が並ぶようになりました」
「英語にしたら英語圏の人の、あと英語を話す人の検索に引っかかったということですね?」
「その通りだと思います」
「でも…それはそれですごいことじゃないですか?ヨーロッパやアフリカの人までがウリモトさんのブログ見てくれたってことですよ?」
「でも見ても読めないじゃないですか。日本語で書いてあるんだから。きっと直帰率100%ですよ」
「そうかしら」
「そりゃそうですよ」
「で、ウリモトさんはどうしたんですか?」
「え?そりゃ、直しましたよ。全部。元通りに」
「直しちゃったんですか?もったいなーい」
「何がもったいないんです?」
「だってせっかく見てくれてるんですよ?日本じゃウリモトさんのブログ見てくれる人いないんだから貴重じゃありません?」
「…でも読めなきゃ意味ないし、それに日本の人に読んでほしいです。モロッコで売れそうな商品じゃないんです」
「そんなの分かりませんよ」
「分かりますよ」
「まあ、どっちでも私はいいですけど、でも、それにしてもインターネットって、あらためてスゴイですね。ウリモトさんが狭い部屋で書いたブログが地球の反対側の人が目にするんですから」
「狭いは余計です…まあ、当たってますけど。でも確かにアフィリエさんの言う通りですね。まさかこんなことが起こるとは夢にも思いませんでした」
「ちょっとアナリティクスを見せてもらえませんか?」
「どうしてです?」
「だって興味があるから。同じ画面を見せてください」
「ちょ、ちょっと待ってください。今出しますから…どうぞ」
「ありがとうございます」
「ホントだ、スゴイ。昨日もロシアの人のセッションが9回もありますよ」
「ハハハ。でも読めないでしょう」
「ここ1ヵ月でロシアの人のセッションが50以上あります」
「どうしてロシアが多いんでしょうね」
「ほかの国もちょこちょこありますよ。ただ…」
「ただ、なんです?」
「いや、これはちょっと…」
「なんですか?」
「言ってもいいですか?」
「いいも何もアフィリエさん、いつもキツイこと言ってるじゃないですか」
「いや、これはちょっとその類いのものじゃないんです」
「はい?」
「いいですか?ウリモトさん。ここ1ヵ月のウリモトさんの特化ブログ、セッションが全部外国です」
「ええッ?!」
「日本に色がついていません。真っ白です」
「いや、いくらなんでもそんな…」

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